| 二九年に日展に初入選し(三一年より連続入選)、四一年に日展特選を受賞します。日展特選は三七歳の時でしたが、このころからあまりラフな恰好が出来なくなりました。 四九年に日展審査員(以降合計五回)、五十年日展会員(現在、日展常務理事)になりましたが、日展の先生方、それも日本画や木彫の世界の方はスーツをピシーッと着こなしていらっしゃる。いわゆる芸術家という言葉からイメージする自由でラフな恰好というのとはちょっと違うところがあります。
上下関係に厳しい一種の徒弟関係ですから、師匠がスーツを着ていれば弟子もスーツを着る。師匠より出すぎたことはしない。師匠よりハデなことは慎むという世界ですね。
ところで、「テーラー中山」の中山勇さんとの出会いも、妻の縁です。妻は東京・杉並のコーラスグループに属していて、その仲間に中山さんの奥さんがいた。それで紹介されたのですが、中山さんはテーラー業界の最高峰である高松宮技術奨励賜杯・内閣総理大臣賞を受賞されている方。じつにいい仕立てをしてくださる。着ていて本当に気持ちがいい。
昨年、中山さんにモーニングを仕立てていただきました。日本芸術院賞受賞、そして日本芸術院会員就任と続いたため、授賞式や歌会始など宮中に招待されることが増えたためです。 |